ネットワークを介した制御システム


 

 

ネットワークを介した遠隔操作

テキスト ボックス: 通信路

 

近年の情報技術の発展は,制御工学の分野においても新しい可能性をもたらした.たとえば,インターネットを介した遠隔制御,あるいは有線・無線の様々なネットワークを通じて制御器が情報をやりとりする分散制御は現実のものとなりつつある.

 

そのようなシステムでは,ネットワークがセンサやアクチュエータ,制御器の間の情報交換を担うため,制御目的に通信できるシステムの数が飛躍的に増えると同時に,通信における効率性や柔軟さの向上が期待できる.

 

他方,通信路を共有することに起因する新たな課題も生じる.とくに使用できる帯域には制約があり,制御信号の通信に必要な実時間性はある程度犠牲とならざるを得ない.

 

こうした背景から,通信技術を活かした信頼性の高い制御系の実現は,今後の重要な研究分野のひとつとなると考えられる.

 

本研究では,制御系における通信量制約に関するテーマを中心に進めている.こうした問題では,制御理論はもちろんのこと,通信・情報理論的な考え方や手法が重要となるため,幅広くシステム論的なアプローチについて学ぶことができる.