TCP/AQMネットワークシステムの輻輳制御

 

１ボトルネックリンクモデル

 

輻輳制御のブロック線図

 


インターネット上を流れる信号量の増加は，ネット上の各所で信号が輻輳する現象を招き，結果的に信号伝達の遅延，実質的な通信容量の低下を招く．これを防ぐため現在，TCPなどの輻輳回避のためのプロトコルが実装されている．しかしその設計は古くまた仕組みは非常に単純であり，現在の過酷な輻輳状況に耐えうるものとは言いがたい．

 

最近，輻輳状態の簡単なモデル，１ボトルネックリンクモデルを取り上げ，既存の輻輳制御のダイナミクスを，制御理論のフレームワークに整合するようにモデル化し，その安定性／制御性能について議論されている．また，より良い性能を達成する輻輳制御のルールも同時に提案されている．

 

本研究では以上を背景に，輻輳制御のダイナミクをより一般的に捉え，ネットワークを安定化する全ての輻輳制御のルール，つまりコントローラーを導出することを考える．またその結果を用いることにより，輻輳制御の高性能化，最適化など，既存の制御理論のツールを用いた様々な発展が，期待されている．