第4回講演会 発表要旨

「学習による神経集団の情報表現の変化」

横田 亮 (東京大学生産技術研究所)

 状況に応じて個々の細胞挙動を動的に自己改変し, 集団の構造と機能を適応させるシステムは生物特有であり,同システムの工学応用は大きな可能性を秘めている.しかし,生物システムの解析は多くの困難を孕む.例えば,神経ネットワークの細胞応答は,非常に高次元,すなわち,多面的な特徴を持つ.さらに,それらは,細胞ごとに異なり(多様性),かつ,時間経過に従って可塑的に変化する場合が多い.  

 本講演では,学習によるラット1次聴覚野の応答変化を題材として,多面的で多様,かつ,時間変化する細胞応答をいかに解析するかについて議論する.特に,学習による細胞集団の情報処理の変化を情報量や周波数解析を用いた解析方法からどのように推察されるかについて述べる.