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管野政明研究員・卒業生 大西政彦さん・原 辰次教授がSICEの論文賞を受賞


計測自動制御学会(SICE)の2008年度の論文賞受賞者に,本研究室の管野政明研究員(科学技術振興機構),大西政彦さん(平成17年度修士課程修了)および原辰次教授が選ばれました.本賞の贈呈式は,SICE Annual Conference 2008(2008年8月・調布市 電気通信大学)にて行われました.

本賞は,SICEが発行する会誌「計測と制御」「計測自動制御学会論文集」および「Web論文(産業論文)」に過去2年間に掲載された論文の中から,SICEが関わる分野の発展への貢献を奨励することを目的とし,SICEが関与する科学技術の分野において,学問技術の発展に寄与するところの大きい論文の著者に与えられる賞です.そして,管野研究員,大西さん,原教授の共著「有限周波数位相・ゲイン特性に着目した連続時間制御対象の制御しやすさの特徴づけ」(計測自動制御学会論文集 第43巻第10号 2007年)の極めて優れた独創性が高く評価され,本賞に選ばれました.

対象論文では,有限周波数領域での位相・ゲイン特性に基づいて制御しやすさの特徴づけを行なう条件(条件(π))を提案しています.そして,感度関数と相補感度関数をバランスよく整形するH最適制御設計法として知られていますHループ 整形設計法における達成可能性能と条件(π)との関係を明らかにしています.特に,2次の連続時間システムにおいて,条件(π)が満たされれば,達成される制御性能が \sqrt{4+2\sqrt{2}} 以下になることを数学的に厳密に示しました.これ らの結果は,従来工学上の経験則から制御しやすいとされてきたシステムを,解析的に特徴づけるものです.さらに,管野研究員らは,この特徴づけに基づいたロバスト設計手法も提案しました.