ハイブリッド最適化問題

 ハイブリッド最適化問題の一般的な定式化は、関数  と、集合  が与えられた下で、



となります。ここで、  は離散変数
  と連続変数  の関数です。 この最適化問題は、目的関数  および制約領域  の構造により分類されます。


最適化問題の分類

 上記の定式化において、 の場合(離散変数が無い場合)、連続最適化問題となります。更に、 が凸関数であり、  が凸集合であるとき、この最適化問題は凸最適化問題と呼ばれます。凸最適化の理論・凸解析は古くから研究がなされ、良い結果が得られています。

同様に、 の場合(連続変数が無い場合)、離散最適化問題となります。ただし、離散最適化においては、連続最適化における凸解析に匹敵する研究の歴史はまだ新しく、「離散凸解析」の枠組みが確立しつつあります(参考文献: 室田一雄 著 「離散凸解析」、「Discrete Convex Analysis」)。離散凸解析においては、2つの重要な離散凸性であるM凸性とL凸性が導入されました。M/L凸性をもつクラスに対しては、連続凸最適化の様々な定理や性質が自然に拡張されることが示され、多項式時間の最適化アルゴリズムが提案されてきました。

連続および離散最適化のアナロジーからして、 の場合のハイブリッド最適化問題においても、「ハイブリッド凸性」が重要となってきます。そこで、離散凸解析を基にして「ハイブリッド凸性」を導入し、ハイブリッド凸性をもつ最適化問題「ハイブリッド凸最適化問題」について考えていきます。



トップページへ