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制御対象
は原点に極を持ち、
原点には零点を持たない仮定する。
さらに、
は原点以外の安定極を持たないと仮定し、
複素開右半平面の不安定零点を
とする。
このとき、連続時間制御器で達成可能な
評価関数の最適値
は、
以下の定理で与えられる。
[定理1]
この解析解から、制御しやすい制御対象の幾つかの性質を導くことができる。
とし制御入力の制限を取り除くと、
第2項が零となり、性能限界は不安定零点だけで決定される。
- 原点に近い不安定零点ほど性能劣化への影響は大きい。
したがって、不安定零点を持たないように制御対象を構成することが
必要であるが、もしそれが不可能ならばできるだけ原点から遠い位置に
零点を配置するのが望ましい。
なお上記結果は、2自由度制御系
とすると、制御対象が不安定であっても成立する一般的な結果であり、
双対問題である外乱除去問題も含め一般的に議論されている。
Okajima Takashi
平成16年7月7日