量子化データを用いたシステム同定


 

 

通信路を用いたシステム同定

 

 

量子化データを用いたシステム同定の過程

 

近年,制御システムの中を流れる信号の質に着目した研究が注目されている.例えばコンピュータネットワークの高速化に伴い,それを利用した様々な機器の,高度な遠隔操作が現実化しているが,そこでは制御対象と制御器の間で交わす信号の量の軽減が重要課題となっている(「ネットワーク化制御」参照).以上を背景に本研究では,制御系の動作に必要な,制御対象に関する情報量,および制御対象に与える指令信号の複雑度を,制御系を流れる信号の情報量を解析することにより厳密に求めることを最終目標としている.

 

制御対象のモデルやシステムパラメタが不確かである場合,制御器は制御対象を推定する何らかの機構を有する必要がある.本研究では,この過程を純粋にシステム同定の問題として切り出し,制御対象の推定に必要な情報量を求める問題を考える

 

制御対象の推定に「必要な情報量」は,推定に用いられる入出力信号の量子化を通して計量される.そしてパラメタ推定では,その量子化されたデータを用いることになる.量子化されたデータには量子化誤差が含まれ,粗い量子化程,大きな同定誤差を生じさせる.つまりこのとき,パラメタ推定に用いることのできる情報量と推定性能の間にトレードオフの関係が存在する.与えられた推定性能を達成するのに必要な最低の情報量を見つけるには,それを達成する最適な量子化器を見つけなければならない.本研究では,幾つかの場合について,最適な量子化器を導出することを考え,それにより,パラメタ推定に必要な情報量を論じる.

 

 

システム同定

量子化器

最適量子化

関連の研究業績