制御対象設計へのパラダイムシフト


最終的な制御性能の向上を目指すためには、制御対象を制御しやすいように設計しておく必要がある。そこで、「制御しやすいシステムを特徴付ける」という研究テーマを設定した。このアプローチは、従来の制御理論とは異なり、制御対象が与えられたならば最適な(あるいはロバストな)制御器は設計できると仮定し、「どのような性質を有する制御対象に対しては高い制御性能が達成できるのか?」、別の言い方をすれば、「どのような性質を有する制御対象は制御しにくく、達成できる制御対象に限界があるのか?」という問いに理論的に答えようとする研究である。

この概念は、以下のように捉えることができる。いま、制御対象の集合 と制御器 が与えられたとき、ロバスト性能を で表すとする。このとき、ロバスト制御系設計は


と表せる。一方、制御しやすいシステムに注目することは、以下の問題を考えることに相当する。



ここで、 は望ましい制御性能のクラスを表している。言い変えると、制御しやすいシステムの特徴付けは、下記の条件を満たす の部分集合 を求めることになる。









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